昨今のニュースを見ていると、外資系企業は次々と日本から撤退し、アジアの拠点を中国やシンガポールなどに移しているように見受けられます。そんな中、年末に台湾の大手企業2社による2つの大型対日投資案件がニュースになりました。
1つは世界最大のEMS(電子機器受託生産企業)であるフォックスコン(鴻海)によるディスプレイ関連の研究開発センター設立のニュースです。フォックスコンは、大手パソコンメーカーへのパーツ提供や組み立てなどを行っており、iPhoneやiPadもこの会社が生産しています。近年、中国の工場での労働者の自殺など、労働問題が欧米や日本のメディアでも取り上げられているので、聞いたことがある方も多いと思います。2012年3月には、シャープと資本業務提携をし、シャープの筆頭株主となるための交渉に入りました。その後、世界最大規模の液晶パネル工場であるシャープ堺工場は、ソニーとの合弁が解消され、フォックスコンの郭台銘会長の投資会社が株式の約半数を取得し、社名を堺ディスプレイプロダクトに変更しています。日本での研究開発センターは、東京と大阪に設立されるという噂で、初年度の投資額は約10億ドルにのぼるようです。
もう1つは台湾の大手銀行、中国信託商業銀行による東京スター銀行買収のニュースです。東京スター銀行は、1999年に経営破綻した東京相和銀行の営業権を譲り受けて設立された第二地方銀行です。実現すれば、外国銀行による邦銀買収の初めてのケースとなります。
また、急速な円安の進行による影響で、台湾人の日本への旅行需要も再び急増しているそうです。
今年は、台湾と日本との関係がさらに密接になっていきそうです。
0 件のコメント:
コメントを投稿